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Monitoring API ManagerAirbusの設計、品質、性能、安全性、快適性は、いまや航空業界のデファクトスタンダードになっています。Airbusの航空機のフライト数は1日約25,000便で、1.4秒毎に1便が離着陸していることになります。今後15年間で顧客数は2倍になると見込まれており、ますます成長していく航空業界のニーズに対応するため、Airbusは航空機の製造を大幅に拡大するとともに、持続可能な形でコストの削減と効率性の向上を実現しなければなりません。しかし、同社のレガシーシステムはこの大いなる成長に対応できないため、ITの根本的なアプローチを見直す必要がありました。これは同社が航空機メーカーからテクノロジー企業への転身を意識するほどの大きな転換でした。
Airbusは、IT戦略の徹底的な見直しを行う必要がありました。その内容は以下のとおりです。
Airbusは、同社の俊敏性と安全性を高める新たなテクノロジーを採用し、新しいソリューションをより迅速に市場に提供する必要がありました。この目標を達成するため、デジタルテクノロジーをフル活用して自社の航空機製造方法を改革するというミッションを掲げます。IT部門内には「デジタルアクセラレータ」と命名したチームを立ち上げました。デジタルアクセラレータがまず決定したことは、Anypoint Platformを導入してデジタルトランスフォーメーションを推進し、組織全体でAPIファーストの戦略に切り替えることです。
Airbus社のデジタルアクセラレータ担当副社長、Chris Taylor氏は「MuleSoftのAnypoint Platformは、デジタルアクセラレータにとって重要なチームの一員です。MuleSoftは、当社のすべての製品ラインに適用できるエンタープライズプラットフォームであり、極めて包括的なソリューションです」と述べています。
デジタルアクセラレータはMuleSoft社とともに、再利用可能なAPIのライブラリを作成しています。このライブラリは、複数のバックエンドシステムからデータを集め、これにアクセスして共同利用できるようにしたことで、様々な関係者に真のビジネス価値を提供しています。
「Anypoint Platformで、レガシープラットフォームのデータを迅速に活用することができます。これにより当社は、データを最大限に活用して製造プロセスやサプライチェーンを最適化し、最終的には航空機製造そのものを最適化できるようになります。」とTaylor氏は述べています。
Anypoint Platformで開発したAPIによって、製造現場は極めて重要なデータにアクセスすることができるようになりました。以前は、物理的に専用のワークステーションを使って、現場のオペレーターが航空機の部品や製造計画、プロジェクトの状況に関する重要な情報にアクセスしていました。製造チームはこのワークステーションと現場とを何度も行き来する必要があり、プロジェクトについて一貫したリアルタイムなデータが得られず、製造プロセスに大きな遅延が発生していたのです。
AirbusはMuleSoftを使用して、現場のオペレーターが自身のモバイルデバイスから部品やプロジェクトをリアルタイムで確認できるアプリケーションを構築しました。APIによって、クラウドやオンプレミスシステム(SAP S/4 HANAなどの複数のSAPシステムや、Skywiseなどの顧客ビッグデータプラットフォーム)からデータを開放し、こうした貴重なデータを相互に活用して、新しい航空機の市場投入までの期間を短縮しました。
「MuleSoftを活用すれば、現場の従業員はデータに直接アクセスし、より的確で迅速に、根拠に基づく判断を下せるようになります。」と、Airbus社APIチームリードのPierre Bornancin氏は述べています。さらに、現場のオペレーターは航空機の構成部品に付いているバーコードをスキャンすると、それに付随する情報に簡単アクセスできるようになり、プロセスのスピードアップにつながっていると述べています。
「MuleSoftを使用する前は、部品の状況をリアルタイムで確認することはできませんでしたが、MuleSoftを使用してからは、サプライチェーンのデータを収集し、すべての関係者にリアルタイムで表示できています。」とBornancin氏。
Airbusは、API主導のアプローチを採用することで、モバイルアプリ用に構築された同じAPI群を再利用し、データを他の関係者にも幅広く提供できるようにしています。
「Airbusのお客様にもまったく同じデータを提供しています」とTaylor氏は付け加えます。「お客様は当社のオープンなAPI群や他のオープンプラットフォーム上でアプリケーションを安全かつセキュアに開発し、デプロイすることができます。」とBornancin氏は説明します。
自社がITの力をもって既存システムの再構成を繰り返すことができる創造性を持つため、IT部門はバックオフィス機能から脱却し、ビジネス全体に影響を与え、多くの最終的価値を生み出すための重要な役割に変化しています。
「MuleSoftにより迅速なデータアクセスが可能になり、航空機の製造方法やカスタマーエクスペリエンスを向上させる方法を見直すことができます。」とTaylor氏は述べています。
Anypoint PlatformでAPIを容易に開発し再利用することで、Airbusは開発プロセスを合理化し、ITサービスの市場投入までの期間を短縮しています。
Taylor氏は次のように断言します。「Anypoint Platformのおかげで、組織全体ではるかに大規模にAPI群を再利用できるようになりました。開発者はAPIの検索、発見、修正、開発、デプロイを簡単に行うことができます。再利用可能なアセットを持ち、そのアセットのメリットを企業全体で活用することで、開発が迅速かつ安価になり、スケール可能になるのです。」
さらに、Taylor氏は次のように続けます。「MuleSoftのAnypoint Platformのおかげで、ITプロジェクトの市場投入までの期間を4か月から4~6週間に短縮できました。現在の目標はそれを2週間にすることです。」
デジタルアクセラレータが今後組織として成長するにつれ、開発者が迅速にアセットを準備し、発見、再利用してプロジェクトの納期を短縮するために、Anypoint Platformはますます重要な役割を果たすことになるでしょう。Bornancin氏は「Anypoint Platformで開発者たちが気に入っているのは、開発者にとっての使いやすさです」と述べ、Airbusの開発者は新しいAPIをたった1週間で提供できると説明しました。「MuleSoftにより多くのボトルネックが解消されるため、開発者はビジネス価値創出と生産性向上にのみ集中することができます」。
「AirbusはMuleSoft社とともに、どのようにアプリケーションを構築するかを根底から見直しています。当社は再構成可能なビルディングブロック、マイクロサービス、そしてAPI群に移行していきます。これは開発をより迅速かつ安価に、そしてスケールさせるためです。」
Chris Taylor
VP, Digital Accelerator,
Airbus
当社のビジネス価値とはつまるところ、品質を犠牲にすることなく、航空機を迅速に製造できるようにするということです。たとえば、MuleSoftを使用することで、 AirbusはERPデータを解放し、セルフサービスでデータにアクセスできるようにしています。こうすれば製造ラインとサプライチェーンプロセスが迅速化され、新しい航空機の完成までの期間が短縮されます。
Taylor氏は次のように結論づけています。「Airbusにおいて私たちは未来のフライトを築いています。これはつまり、航空機の製造方法と、お客様の航空機運用を私たちが変革するということです。その心臓部にあたるのが、Airbusのデジタルアクセラレータ、API、そしてMuleSoftです。」