レガシーアプリケーションを API で再生

Legacy Application

最近の調査によると、企業は平均 1,000 種類以上のアプリケーションを利用しています。これらアプリケーションには、レガシーシステム (オンプレミス型 ERP や十年以上稼働しているメインフレームなど) が多く含まれています。そこには、顧客情報や注文履歴といった機密データ、ローン認証に必要となる情報、それらデータや情報へのアクセス管理などの重要な機能が実装されています。レガシーアプリケーションには、ベースとなるシステムと同様に問題があります。

具体的には、レガシーアプリケーションが稼働するシステムでは、豊富なデータを必要とするモバイルアプリやSaaSアプリ、IoT アプリ、その他からリクエストされるコール数の増加に対応できないことが多いのです (またはデータのトランザクション量に応じた課金が発生します)。レガシーシステムは、膨大なデータ量のやり取りを前提とする最新テクノロジーの実装や運用のサポートには適していないのです。

さらに、古いシステムと新しいシステムの間で安全かつ統制のとれた『接続性』を提供するために、開発者は、古いファイル形式と最新の転送プロトコルの違いを理解しなければなりません。例えば、IBM メインフレームに保存されている顧客記録などのレガシーアプリケーションを更新できるモバイルアプリを構築するには、ファイル形式 (COBOL コピーブック と REST/JSON) および伝送プロトコル (FTP と HTTP) の違いを理解した上で、開発する必要があります。

これらのレガシーアプリケーションのデータと機能は、企業にとって非常に価値があります。そのため、これらを廃棄して (新しいアプリケーションに) 入れ替えるという選択肢が選ばれることはありません。レガシーモダナイゼーションとは、レガシーアプリケーションへの投資を最大限に活用するためのアプローチ。API を介して最新のアプリケーションを活用することにより、企業はコストを削減しながら、俊敏性を高め、レガシーシステムの機能ギャップを解消することができます。

API でレガシーアプリケーションをモダナイズする方法

一般的に、古いシステムにはビジネスに重要なデータやサービス(顧客マスターデータなど)を含むレガシーアプリケーションが搭載されているため、多くの IT プロジェクトがこれらのシステムとの統合を必要としています。ただし、これらのシステムは複雑で、インテグレーション開発をサポートできる専門家が不足しているため、IT 統括部門は事業部門からリクエストされる規模のインテグレーションを実装することは簡単ではありません。しかし、ビジネスを滞らせないためにも、IT 統括部門は、これらのシステムを中断させることなく、事業部門にインテグレーションを実装することは必須となっています。

API がこの対応策となります。IT 統括部門は、コアデータとサービスをレガシーシステムの複雑性から切り離すことで、これらのレガシーシステムを最新のプラットフォームのようにアップデートしてくれます。これにより、多くの事業部門が専門家に頼らなくてもレガシーアプリケーションやサービスのデータを簡単に利用できるようになります。さらに API ポリシー (具体的にはスロットリングとレートリミット) を活用することで、レガシーシステムの過剰な数量のリクエスト受信による故障を防ぐことができ、アプリケーションの稼働時間の延長やメンテナンスコストの削減が可能になります。

APIを介してレガシーアプリケーションのデータと機能を公開することで、これらのアプリケーションをより簡単に再利用でき、アプリケーションをより簡単に更新または修正することができます。

レガシーシステムやアプリケーションを最新の状態にするために API を利用するには、2 つの戦略があります。

  1. サービスを RESTful API でラッピングする、またはAPIを通じて構成要素の Web サービス操作にアクセスできるようにすることで、既存のレガシーサービスを利用しやすくなるようにパッケージ化する

  2. アプリケーションコードを再構築し、ミニサービスやマイクロサービスを開発することで API を介して機能を公開する

Anypoint Platform がレガシーアプリケーションを開放する方法

Anypoint Platform 』は、データ統合とフルライフサイクル API 管理のための統合プラットフォームです。企業はAPIを活用して、モノリシックアプリケーションをビルディングブロック (一つひとつのサービス) の粒度まで分解し、レガシーシステムをトランザクションスパイクから保護するとともに、レガシーシステムのデータとサービスの複雑さを抽象化することが可能になります。このアプローチにより IT 統括部門は、業務部門にレガシーシステム資産をセルフサービスで利用できるようになり、企業全体の俊敏性を高められます。加えて、これらシステムへのアクセスを厳密に管理できるようにもなるのです。

Anypoint Platform を利用したレガシーモダナイゼーションに関する詳細については、このホワイトペーパーをご覧ください。