データインテグレーションを容易化させるAnypoint Platformのコンポーネント

ITは進化を続けており、企業のデータ運用・管理する方法も常に変化しています。もはやデータ統合は、特定のデータ形式に対応できる限定的なツールによって処理されるようなものではありません。現在、多数のアプリケーションやデータベースに散在するビジネス情報へのアクセスやデータ取得のため、さまざまなベンダーの多数のツールが採用されています。当然、ビジネスデータのインテグレーションは、極めて重要な役割を持っています。企業は、データ統合のニーズを満たす堅牢かつ確実なソリューションを選択し実装しなければなりません。

データ統合ツールが逆効果になるケース

データ統合は、企業のさまざまな場所(システム、データベース、アプリケーション、ファイルストレージ、Webサービスなど)からデータを移動・変換・統合させることです。それによって企業は、情報ソース間で「クレンジング」「標準化」「重複排除」「操作」および「同期」が可能になり、抱えているビジネス課題を解決することができるようになります。旧来、企業は専用のデータ統合ツールによって、顧客データの統合(CDI: Customer Data Integration)のニーズに対応してきました。あらゆるニーズに応えるためには、さまざまな統合ソリューションを採用する必要がありました。当然、使用するツール数は増加を続け、また企業規模が大きくなるほど導入されるツール数も増えていきます。その結果、データ統合が断片化・複雑化してしまい、企業全体で一貫性を欠くという問題が発生してしまいます。

共通のデータ統合ツールを企業全体で使用しなければ、情報の維持と管理は難しくなります。複数の部門が異なる方法で顧客データを管理していると、両部門のデータを統合するのが難しくなるのです。さらに、データを統合して統一的なビューをつくり上げることも、企業にとって克服すべきハードルとなっています。ETL(抽出/変換/格納)は、マスターデータ管理(MDM)として一般的ですが、複雑になりがちで、拡張性に難があるケースが多いようです。

多くのデータ統合ツールを組み合わせようとすると、コストがかかるだけでなく、非効率でリスクも高くなります。ベンダーは自社の統合ツールに多くのコンポーネントを取り込んでパッケージ化するため、コストが高くなり、ソリューションの規模が大きく(重く)なりがちです。その結果、数多くのハードウェアやソフトウェアで構成されるインフラストラクチャが必要になり、投資リスクも高くなってしまいます。さらに、特定のデータ形式には特定の統合ツールが必要になるため、複数のベンダーが提供する統合ツールを導入せざるを得ないことも多いです。これが「一貫性」と「シンプルさ」を奪い、企業全体が非効率に陥ることの原因となるのです。


MuleSoftがデータ統合を簡素化

MuleSoftは、容易にデータ統合ができる軽量なオープンソースプラットフォームを提供しています。MuleSoftのAnypoint Platformは、ベスト・オブ・ブリード(マルチベンダー)であり、60か国以上の1,600を超える組織がアプリケーションネットワークを構築し、ビジネスオペレーションを効率化させています。Anypoint Platformを利用することで、データベースとアプリケーション間の接続・通信の運用やメンテナンスに費やす時間を減らし、コアなビジネスに集中する時間を増やすことが可能になります。

多くのコンポーネントで構成されるAnypoint Platformは、データ統合を簡素化し、接続性を高め、相互運用性の向上のために必要なソリューションを企業に提供します。効率的なデータ統合ソリューションにより、企業はデータの「同期」「共有」「移行」および「管理」が容易になります。Anypoint Platformによって、アプリケーション、パフォーマンスおよびオペレーション管理のための可視性と制御が可能になるため、企業は複雑性を排除することが可能です。さらにインメモリデータグリッドにより、大規模インテグレーションの開発から実装の期間中に変更されがちなビジネス要件やニーズに調整することが容易になります。

Anypoint Platformの特有のコンポーネントであるDataWeaveは、使いやすいグラフィカルなデータ・マッピング・インタフェースを持ち、強力なデータ統合を提供します。ETLプロセス実施のためのシンプルで強力な統合機能を有するとともに、高性能なデータマッピング操作も可能になります。加えてDataWeaveは、Mule ESBとCloudHub(MuleSoftがて提供するiPaaS)のいずれでも機能するため、XPathとスクリプティングによるデータのフィルタリング・抽出・変換が容易になり、設計段階のインテグレーションの結果をライブプレビューすることができます。特にSalesforce内外にデータを移動させたい場合は、データを無制限にインポート・エクスポート・削除できるデータローディングアプリケーションのDataloader.io(無料)が利用できます。Dataloader.ioはWebベースのためダウンロードの必要がなく、既存のSalesforceの認証情報を使用して簡単にアクセスできます。

CloudHubはiPaaSとして、繰り返し利用できる統合アプリケーションの作成をサポートし、データ統合プロセスの自動化を容易にします。さらに、Anypointエクスチェンジにより、APIの構築とAPI接続が迅速化でき、数百の人気のアプリケーションやサービスの間のデータ共有を簡素化できます。Mule ESBは、世界で最も広く使用されているオープンソース統合プラットフォームであり、オンプレミスおよびクラウドアプリケーション間の統合をストレスフリーで実装できます。Anypoint Studioは、Anypoint Platformのもう1つのコンポーネントです。グラフィカルな設計環境で、「フローの設計」「データのマッピング」「人気の開発ツールの活用」などを、単一の統合プラットフォームから行えます。Anypoint Enterprise Securityにより、システムの保護、データの完全性の維持、アクセスポイントの保護を通じて、情報の安全な共有を保証します。 

MuleSoftは、大規模な開発者コミュニティに支えられた「柔軟性」「拡張性」および「使いやすさ」を備えたプラットフォームであり、データ統合に課題を持っている企業にとって最適なソリューションの1つとなります。上に記したAnypoint Platformとコンポーネントについての詳細情報は、こちらからお問い合わせください