RPA（ロボティック・プロセス・オートメーション）とは？
この記事は、Ma-Keba Frye, SEO Content Writer at MuleSoft. によって書かれました。
Deloitte Digitalが実施した調査によると、53％の企業がすでにRPA（ロボティック・プロセス・オートメーション）の取り組みを開始しています。RPAは急成長を遂げているソフトウェア・カテゴリの1つであり、200％以上の伸びを記録しています。この記事に興味を持つ方は「RPAとは何か？」「どのように機能するのか？」といった疑問を持っているのではないでしょうか。
RPAとは何か？どのように機能するのか？
RPA（Robotic Process Automation）とは、ロボット工学と自動化を組み合わせ、反復作業を行うソフトウェア技術です。RPAは人間のやり方と同じようにインターフェースと対話することで、従業員のデスクトップ操作を再現するアプリケーションまたは「ボット」を使用するビジネスプロセスの自動化手法です。
RPAツールは、ユーザーが繰り返す作業を記録し、ソフトウェアロボットが当該作業を行うためのスクリプトを生成することができます。多くの場合、このボットが作成するスクリプトは、ユーザーが画面上で行ったクリック、入力、動作など、一連のアクションに基づいています。RPAボットはスクリプトに従って、人間と同じようにデータを取得し、アプリケーションやシステムを操作して、これらのステップを繰り返しています。
RPAの一般的なユースケースとは？
RPAは、繰り返しの多い業務を自動化するために、あらゆる産業で利用されています。多くの場合、スクリーンスクレイピングやその他の自動化技術を使用して、あるシステムやアプリケーションから別のシステムへデータを移動したり、アクションを実行したりします。
RPAは主に退屈な手作業に使用されるため、この種のプロセスに多くの時間を費やしている役割や機能、ビジネスユニットで一般的に使用されます。たとえば、保険業界、銀行業界、ヘルスケア業界において、基礎的な基礎的な役割を担っています。
- コスト削減と顧客・従業員体験の向上
- 顧客のオンボーディングの合理化
- アプリケーションや文書などからのデータ抽出、データ入力、処理の自動化
- プロセスの正確性とコンプライアンスの向上
従業員が大量の繰り返し作業を行うような企業にとって非常に効果的です。
RPAのユースケースの例としては、以下のようなものがあります。
- 手動でのデータ入力・操作（CRMの更新など）
- 従業員やパートナーのオンボーディング
- レポート作成やデータ集計
- 文書作成
- 給与計算／給与処理
- ユーザー設定
- 請求書発行／支払処理
- 注文処理と出荷通知
- 履歴書と候補者の照合
- 経費管理
- 融資／請求／クレーム処理
- 在庫管理／消耗品管理
RPAの「メリット」と「課題」
生産性の向上、顧客体験の向上、新製品や新サービスの迅速な開発・立ち上げに取り組む企業にとって、自動化は、このデジタル時代におけるビジネスの最重要な課題のひとつとなっています。RPAテクノロジーの改良と市場の拡大にともない、ITリーダーは、①反復作業の排除、②業務の合理化、③コスト削減を実現するRPAテクノロジーに、ますます注目しています。どんなテクノロジーでも、導入には「メリット」と「課題」がつきものです。 以下、それぞれについて代表的なものを紹介します。
メリット
- 効率化：RPAは、従業員の繰り返し作業に費やす時間を減らし、生産性を向上させます。Gartnerは、RPAによってフルタイム勤務の場合、社員の30％の時間を節約できることを明らかにしています。
- 正確性：データ入力は、多くの場合、手作業で行うよりも自動化した方がより正確です。ルール遵守という点でも優れており、RPAツールは業界や企業のポリシーに100％準拠することができます。
- コスト削減：従業員の生産性を向上させることで、コスト削減も可能です。従業員は、より価値の高い仕事により長い時間を費やすことができるようになります。
- レガシーテクノロジーへのアクセス：レガシーテクノロジーとクラウドをシステムを統合することに苦労している企業は少なくありません。RPAは、ユーザーインターフェースを介して、レガシーシステムからデータを取得する簡単なエントリーを提供してくれます。
課題
- 従業員の削減：RPAをはじめとする自動化技術への最も大きな批判の1つは、データ入力や事務的な役割（とそれを担う従業員）を不要にする可能性があることです。
- 知的能力に欠ける：（現状の）RPAは、スクリプトからコピーしたタスクしか実行できないため、スクリプトを学習・改善する能力がありません。このRPAの弱点を解決するために、次世代のAIやインテリジェントオートメーションツールが導入されつつあります。
- プロジェクトの複雑さ：変換型RPAプロジェクト（例：データやファイル形式の変換のためのプロセス）は複雑で、投資対効果を確認するのに時間を要する傾向があります。そのため、RPAプロジェクトの中には価値を実感する前に失敗してしまう（諦めてしまう）ものもあります。
RPAとAPI主導の接続性の関係とは？
APIはシステムやデータセットを結合するのに対し、RPAはあるシステムから別のシステムへデータをスクラップするため、互いに競合すると考える人が多いようです。しかし、API主導のアプローチにより、統合の範囲を広げ、より多くのエンドポイントへのアクセスを可能にすることで、APIとRPAを連携させるユースケースは少なくありません。
ビジネスプロセスの自動化を実装できない場合、API主導のアプローチではRPAを選択することがあります。どういった場合にRPAを選択すべきかを以下に紹介します。
- レガシーアプリケーションやオンプレミスアプリケーション、あるいは企業用に大きくカスタマイズされたシステムなど、APIが存在しないシステムがある
- エンドポイント用のAPIを作成するための投資が遅れている、もしくは不足している（注：この場合、RPAはシステムへ一時的にアクセスするための応急処置として使用することが可能）
- 自動化とインテグレーションを実装・管理するチームが異なる。
MuleSoft RPA（2023年にローンチ予定）のようなソリューションは、ドキュメントの処理、データ入力などの繰り返し作業を一切のコードを記述せず、ユーザーに代わって行動するボットに置き換えます。すなわち、これがコンポーザブルビジネス実現のための第一歩となるのです。このエンド・ツー・エンドのビジネスの自動化が「イノベーションとコラボレーションの促進」「プロセスの合理化」「効率とスピードの向上」「分離されているレガシーシステムとの連携・統合」を可能にしてくれます。MuleSoft RPAを利用することで、最高クラスのインテグレーション、API管理およびRPA機能を集約的に実現できるため、コンポーザブルビジネスへの転換を図ることができます。