インテグレーションの課題が デジタルトランスフォーメーションの最大の障壁であるという調査結果が明らかに 企業におけるカスタムインテグレーションの人件費は世界平均350万ドル

報道関係各位

News Release
2021年6月10日

MuleSoft Japan
株式会社セールスフォース・ドットコム

昨年、自社のIT部門が要求されたプロジェクトをすべて完遂できたと回答した組織は
調査対象全体のわずか37%

その上、今年要求されているITプロジェクト件数は昨年の平均34%増

調査対象全体の90%の組織にとって
サイロ化されたデータが昨年から引き続き課題

調査対象全体の80%の組織が
イノベーションを迅速に推進しコネクテッド エクスペリエンスを提供するためには
ビジネスユーザーがデータとアプリケーションを簡単に統合できるようにすることが必要だと認識

世界No.1のAPIを活用したインテグレーションプラットフォームを提供するMuleSoft Japan(株式会社セールスフォース・ドットコム MuleSoft Japan 常務執行役員、 Vice President & General Manager, MuleSoft Japan and Korea:小枝 逸人)は本日、「2021年版 接続性ベンチマークレポート」を発表しました。

MuleSoftが実施した本調査レポートでは、インテグレーションの課題が、依然としてデジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みの最大の障壁であるという調査結果が出ています。

2021年版 接続性ベンチマークレポートによると、IT部門は労働時間の3分の1以上をインテグレーション・プロジェクトに費やしており、大手企業がカスタムインテグレーションのために支出する人件費は年間平均350万ドル*にのぼることがわかりました。デジタル化の取り組みが加速するなか、業界を問わずインテグレーションこそDXの成功とスピードを決定づける重要な要素であることがわかりました。

 

接続性ベンチマークレポート

 

MuleSoftの調査レポートの結果:企業は平均して、350万ドル*をポイント・ツー・ポイントのカスタムインテグレーションの管理に費やしている。

接続性ベンチマークレポートについて、MuleSoftのブレント・ヘイワード最高経営責任者(CEO)は次のようにコメントしています。 「あらゆる業界の企業が、顧客や従業員とのやりとりにデジタルチャネルを活用する方向へと急速にシフトしています。大半の企業は、eコマース・プラットフォームの立ち上げや、デジタル化による従業員の生産性向上を優先的に推進しています。しかし、こうした重要な取り組みにおいて、データサイロが依然として障壁となっていることが今回の調査で明らかになりました。IT部門とビジネスユーザーがアプリケーションとデータを簡単に統合できるようになれば、企業は組織内の能力を最大限に引き出し、大規模なイノベーションを推進して競争力を高めることができるでしょう」

2021年版 接続性ベンチマークレポートは、世界の800名のCIOとITの意思決定者を対象に調査しており、50名の日本の回答者が含まれています。今回の調査は、組織がデジタルファーストに進んでいく上での新たな課題やビジネスチャンスも浮き彫りになりました。

需要の高まりで、企業は迅速なデジタル化を迫られている

この1年で人々の働き方や事業の在り方は大きく変化しました。顧客はもちろん、従業員もシームレスなデジタルエクスペリエンスを求めており、企業がこれを迅速に実現することを期待しています

  • どこにいても成果を出すための新しい取り組み: 過去1年間で、日本企業はリモートワークへの急速な移行や、生産性と効率の向上を支えるためにITを大いに活用しました。こうした中、企業が2021年に注力している主な取り組みは、アプリケーションのクラウドへの移行(51%)、リモートワークへの対応(48%)、ビジネスプロセスの自動化(47%)でした。
  • 需要が供給を上回っている IT部門への要求は大幅に増加しています。今年、組織がIT部門に要求したプロジェクトの数は昨年の平均30%増となっており、年々増え続けていることがわかります。(2020年のプロジェクト数は242件に対し、2021年では315件)、そして、昨年すべてのITプロジェクトを完了できたのは、回答者のうちわずか37%でした。(前年は41%)
  • デジタル化を怠れば取り残される DX推進の取り組みを完遂できなければ、来年の収益に影響が生じると答えた組織は調査対象全体の4分の3(72%)にのぼりました。
  • 運用管理継続のためのコスト: 組織のIT部門は、労働時間の3分の2以上(68%)を運用管理業務に費やしており、イノベーションや新プロジェクト開発のための時間はほとんど残されていません。

 

Graphic

 

Graphic 2

インテグレーションの課題がビジネスの推進を妨げる

データサイロの課題を抱えている組織は、調査対象全体の90%となっており、昨年の調査と同様の結果となりました。また、ほぼすべて(90%)の回答者が、DXの実現を阻む要因としてインテグレーションの課題を挙げています。こうした傾向が続けば、多くの組織で重要なイニシアチブが停滞する恐れが生じます。既存であれ新規であれアプリケーションやデータを接続し、より大きな価値の創出を目指す企業にとって、インテグレーションは今後最もフォーカスすべき分野となるでしょう。

  • 多数のアプリケーション、わずかなインテグレーション:組織が使用しているアプリケーションの数は平均843個にものぼります。しかし、インテグレーションが実施されているのは、そのうちの29%に過ぎません。(昨年の結果の28%から微増)これは、インテグレーションが変更に柔軟に対応しよりコネクテッドエクスペリエンスをデリバリできる大きな可能性を示しています
  • コネクテッドな顧客体験の実現は依然として課題:エンドユーザーのエクスペリエンスを全チャネルで統合している組織は、調査対象全体のわずか18%で、約半数(48%)がその実現は難しいと回答しています。一方、エンドユーザー・エクスペリエンスの統合に成功した企業は、インテグレーションの主なメリットとして、顧客エンゲージメント(53%)、ビジネストランスフォーメーション(53%)、イノベーション(50%)を挙げています
  • データを活用する役割が最もインテグレーションを必要としている:IT部門以外でインテグレーションのニーズが高かったのは、データサイエンス(47%)、ビジネスアナリスト(42%)、財務(42%)でした。この結果からも、データを重視するビジネスユーザーやイニシアチブが、インテグレーションの力を必要としている状況が見えてきます

全社規模のイノベーションの促進

組織は、収益目標を達成し、コネクテッドエクスペリエンスを迅速に提供するには、インテグレーションが戦略的に重要であると認識しています。インテグレーションを遂行する上でIT部門にかかる負担を軽減し、イノベーションを促進して生産性を高めるため、企業は既存のインテグレーションの再利用を進め、より幅広い部門がアプリケーションとデータを連携できるようになることを目指しています。

  • インテグレーションとAPI戦略はトップダウン型アプローチ:今回の調査対象全体の3分の2以上(69%)の組織が、インテグレーションとAPIの戦略にはトップダウン型のアプローチを採用していると答えています。これは、昨年の結果の63%から増えており、事業目標の達成においてインテグレーションの重要性が高まっていることを浮き彫りにしています。
  • APIの再利用が創出する大きなビジネスチャンス: ほぼすべて(96%、昨年の結果の80%から増加)の組織が、APIを活用してインテグレーションを構築し、新たなプロジェクトを遂行しているものの、APIの再利用に関するベストプラクティスには依然として改善の余地があると認識しています。コーディング、API、ベストプラクティスのテンプレートの再利用については、過去2年間横ばい状態ですが、社内のアセットやコンポーネントのうち、再利用可能なものは平均42%にのぼります。すでにAPIを活用している企業では、生産性の向上(59%)、セルフサービスの実現(48%)、イノベーションの増加(46%)といった効果を報告しており、非常に大きなビジネスチャンスを秘めた分野だと言えるでしょう。
  • ビジネスユーザーでもインテグレーションができる状態に環境: 生産性を向上させ、コネクテッドエクスペリエンスを提供し、イノベーションの促進を図るには、ビジネスユーザーがデータへのアクセスやインテグレーションすることが必要だと、調査対象全体の80%の組織が認識しています。また、約3分の1以上(36%)の組織が、ITを専門としないユーザーがAPIを使ってアプリケーションとデータソースを簡単に統合できるアプローチをとっていると答えました。さらに、調査対象全体の44%が、そういった計画を策定中だと答え、企業がインテグレーションを通じてビジネスユーザーの生産性向上を目指していることが明らかになりました。

2021年版 接続性ベンチマークレポートのダウンロード

  • 世界の組織がどのようにデジタルトランスフォーメーションの取り組みを推進しているのか、詳しい調査結果は、2021接続性ベンチマークレポートをダウンロードしてご覧ください

調査方法

今年で6年目となる接続性ベンチマークレポートの作成にあたり、MuleSoftはVanson Bourneの協力のもと、世界のITリーダー800人を対象に調査を実施しました。調査の目的は、企業がDXから実際にどれだけの価値を得ているのかを明らかにし、DX目標を達成するためにITリーダーたちがどのような戦略を採用しているのか理解することです。調査は、2020年12月から2021年1月にかけて、米国、英国、フランス、ドイツ、オランダ、オーストラリア、シンガポール、香港、日本でオンラインで実施されました。いくつもの厳格なスクリーニングプロセスを通過した参加者のみを調査対象としています。回答者は、従業員数1,000人以上の官民の組織に勤務し、IT部門で管理職以上の役職にあることを条件としています。

*調査回答者によると、過去12か月間におけるIT部門の人件費は平均9,870,901ドルだった(従業員の給与および外部請負業者の人件費)。 調査回答者によると、ITチームがカスタムインテグレーションの設計、構築、テストに費やす時間は平均で労働時間の35.55%を占めた。 9,870,901ドル x 35.55% = 3,509,105.31ドル

MuleSoft, a Salesforce companyについて

MuleSoftは、世界No.1の信頼を誇るインテグレーションとフルライフサイクルAPI管理のプラットフォームを提供し、システムがどこにあってもデータを容易に連携させ、コネクティッドなエクスペリエンスを迅速に創出します。業種を問わず世界で数千におよぶお客様がMuleSoftを採用され、スピードと俊敏性を備えたイノベーションの推進を実現されています。詳しくは、https://www.mulesoft.com/jpをご覧ください。

セールスフォース・ドットコムについて

セールスフォース・ドットコムは、顧客関係管理(CRM)のグローバルリーダーであり、デジタル時代において企業と顧客を近づけるお手伝いをしています。 1999年に設立されたセールスフォース・ドットコムは、あらゆる規模と業界の企業がクラウド、モバイル、ソーシャル、IoT、人工知能、音声、ブロックチェーンなどの強力なテクノロジーを活用し、360度で顧客と繋がるためのツールを提供します。セールスフォース・ドットコム(NYSE:CRM)の詳細については、www.salesforce.comをご覧ください。

本リリースおよび他のリリースや発表などで言及している今後提供予定のサービスや機能は、現在のところ利用できません。 サービスおよび機能の提供開始日は事前の予告なく延期または中止される可能性があります。セールスフォース・ドットコムのアプリケーションを購入する場合は、現在利用可能な機能を基に、購入の意思決定を行うものとします。 セールスフォース・ドットコムは、本社をサンフランシスコに置き、ヨーロッパならびにアジアでも事業を展開しています。同社は、ニューヨーク証券取引所に上場しており、ティッカーシンボル CRM で取引されています。

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